『The Vast Of Night』が驚異の4分間のテイクをいかに実現したか

『The Vast Of Night』が驚異の4分間のテイクをいかに実現したか

『悪魔の住む場所』、『グッドフェローズ』、『チルドレン・オブ・メン』、『ゼロ・グラビティ』。素晴らしい映画にも、息を呑むような、一体どうやってこんな長回しをしたのかと驚かされるような長回しが加わることで、傑作へと昇華されることがある。そんな偉業に挑戦した最新作が、現在Amazonプライムで配信中のアンドリュー・パターソン監督の『ヴァスト・オブ・ナイト』だ。この時代劇SF映画の中盤に、4分15秒のショットがある。ただただ驚愕するだけでなく、全く理解できない。まさか本当に現実のショットだとは思えない。しかし、ある意味、現実なのだ。

映画の中で、電話交換手のフェイ(シエラ・マコーミック)は、ラジオDJのエベレット(ジェイク・ホロウィッツ)に、1950年代の静かなニューメキシコの町中で聞こえる謎の信号を送ると告げる。エベレットはフェイに、その信号をラジオで流すので数分間電話に出ないようにと告げる。そして、魔法が始まる。

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「映画で一番楽しいのは、知りたいことを待つことです」とパターソンは昨年9月にio9に語った。「だから私にとっては、『どうすればこの5分間の待ち時間を楽しいものにできるか?』が問題でした」

エベレットとフェイがレコーディングをします。
エベレットとフェイがレコーディングをします。

答えは、カメラを街中を飛び回らせ、建物の中や通りを下り、窓から飛び出すロングショットだった。あらゆる場所に。「とにかく、登場人物の方向を決めようと思ったんです」とパターソンは続けた。「彼女がここにいて、バスケットボールの試合があちらこちらで、彼がこちらにいるとしよう。それでちょっと楽しもう。音楽をかけて、クールで美しく、楽しいシーンを演出して、映画の残りの部分もこんな感じになるんだってことを伝えよう」

しかし、彼はどうやってそれをやったのでしょうか? どれだけが現実だったのでしょうか?

「ゴーカートとカメラジンバルとスティッチングを組み合わせたようなものだ」とパターソン氏は語り、カメラで撮影したすべてのものをシームレスに融合させるデジタルエフェクトが実際にいくつか使われていることを明かしたがらなかった。

「すべて実際に撮影しています」と彼は続けた。「でもドローンは使っていません。カメラジンバルを使って動きを補正しました。それから、ゴーカートで時速45マイル(約72キロ)で走らせ、その後カメラを手渡してもらい、ずっと走らせ続けました。ですから、100%実用的というわけではありませんが、撮影は実用的であり、この映画のために地形も綿密に作り込まれています」

つまり、映画のロケ地であるテキサス州ホイットニーとヒルズボロに行っても、すべてが実際の場所にあるわけではないので、あのショットを完璧に再現することはできないということです。しかし、映画ではそれがうまく機能しています。

エベレットと非常に重要な電話中。
エベレットと非常に重要な電話中。

さらにパターソンは、ブエノスアイレスのVFXチームOner VFXの功績を称え、ショット全体をまるで本物のように仕上げたと称賛した。撮影監督のM・I・リティン=メンズ氏にも感謝の意を表した。「もちろん、撮影監督が照明を担当しました」とパターソンは語った。「夜間に照明を当てるには広大な空間が必要でしたが、光は全く見えませんでした」

空にあるものを除いて。

『The Vast of Night』はAmazonプライムで配信中です。こちらで視聴できます。パターソン監督の意外な経歴については、こちらをご覧ください。


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