今週のAI:CEOをAIに置き換える時期

今週のAI:CEOをAIに置き換える時期

今週のヘッドライン

  • 今週、ワシントンD.C.で、テクノロジー業界の大物たちがチャック・シューマー氏と、将来のAI政策に関する非公開サミットに出席した。ゲストには、イーロン・マスク氏、マーク・ザッカーバーグ氏、ビル・ゲイツ氏など、緩い規制環境から恩恵を受けるであろう億万長者が含まれていた。
  • コカ・コーラにAIが作った新しいフレーバーがあるんだけど、どんな味なのかすごく気になる。きっとまずいんだろうな。
  • ブランドはますます人間のファッションモデルを捨て、AIが生成した「モデル」を選択するようになっています。ブランドアンバサダーが組合を結成する時期が来ているのかもしれません。
  • 最後になりましたが、Insiderライターでありテクノロジーブロガーでもあるエド・ジトロン氏が、AIを活用して企業のCEOの役割を自動化できる可能性を示唆する論説記事を執筆しました。今週のインタビューでは、ジトロン氏にお話を伺いました。

トップストーリー:AIの水飲み習慣

テクノロジー業界が水問題を抱えていることは周知の事実です。高度にデジタル化された世界に不可欠なデータセンターは、正常に稼働するために定期的に冷却する必要があります。問題は、冷却プロセスに膨大な量の淡水が必要であり、その多くは米国の水道システムから汲み上げなければならないことです。新興のAI産業は膨大なエネルギーを消費するため、シリコンバレーで最も水を多く必要とする産業の一つであることは、おそらく驚くべきことではありません。

マイクロソフトが今週、最新の環境報告書を発表し、同社の水使用量が2021年から2022年にかけて急増したことを明らかにしたことにより、その渇望ぶりは確証された。同社のAI事業が加速し始めた時期を追跡したこの報告書によると、マイクロソフトは12か月間で約6,399,415立方メートルの水を消費しており、これは前年比で約30%の増加となっている。

画像: peterschreiber.media

この調査結果は、特に驚くべきものではありません。カリフォルニア大学リバーサイド校が今年初めに発表した研究では、ChatGPTと少し話すだけで最大0.5リットル、つまり約1本分の水が必要になると推定されています。さらに悪いことに、この研究では、マイクロソフトが2週間かけてGPT-3を学習させるために使用した水の量も推定されており、その量は約70万リットルでした。この研究は、「淡水不足は現代の最も差し迫った課題の一つとなっている」ことを踏まえ、これらの調査結果が「極めて憂慮すべき」ものであると指摘しています。

研究論文の著者の一人であるShaolei Ren氏は今週、Gizmodoに対し、AIは他のほとんどのコンピューティング形式よりもはるかにエネルギーを消費すると述べました。「AIサーバーのエネルギー密度は、他の種類のサーバーよりも一般的に高くなります。これは、多数のGPUを搭載し、サーバー1台あたり2~3キロワットもの電力を消費する可能性があるためです。一方、通常のサーバーは通常500ワット未満の電力を消費します。つまり、エネルギー密度に大きな差があり、冷却の必要性にも差があるということです」とRen氏は述べています。

レン氏は、テクノロジー企業がこれらのモデルの学習に使用する水の量を削減する方法はいくつかあると述べた。しかし残念ながら、ほとんどのAIベンダーが関連データを公開していないため、企業が実際にそれを実行しているかどうかを監視することは困難だと同氏は述べた。

インタビュー:エド・ジトロン氏、経営幹部の自動化について語る

写真: Ed Zitron/LinkedIn

今週はエド・ジトロン氏にお話を伺う機会に恵まれました。ジトロン氏は自身のメディアリレーションズ会社を設立しただけでなく、テクノロジーに特化したSubstack(「Where's Your Ed At」)を運営し、Insiderの寄稿ライターも務めています。今週、ジトロン氏は、企業はCEOをAIに交代させるべきだとユーモラスに提言する論説記事を執筆しました。しかし、経営陣はこれを快く受け止めませんでした。ジトロン氏には、AI、労働、そして現在のコーポレートガバナンスの問題点についてお話を伺いました。このインタビューは、簡潔さと明瞭性を考慮して編集されています。

あなたの論説を読んでいない人は、もちろん読んでください。でも、あなたにあなたの主張を述べる機会を与えたかったのです。それでは簡単に、この記事であなたはどのような主張をしているのですか?そして、なぜ企業幹部をChatGPTに置き換えるべきなのでしょうか?

私が主に主張しているのは、CEOの役割が極めて曖昧になっているということです。CEOの役割は説明責任がほとんどなく、明確な責任体系もほとんどありません。CEOの役割に関する基本的な文献を見ると、実際にはCEOが何をしているのかはそれほど明確ではありません。2018年にハーバード大学がCEOの業務を調査した研究では、「人事」「会議」「戦略」といった言葉が挙げられていました。これは文字通り何でもいいのです!「戦略」?どういう意味ですか?つまり、CEOは会議に出席して「こうすべきだ」「あれはすべきではない」と言っているだけのように見えます。問題は、組織内での唯一の役割が情報を集めて「ええ、こうすべきです」と言うことであり、弁護士でも医者でもなければ、実際に必要なスキルセットを持った人でもないのに、一体何の意味があるのか​​ということです。

これまでのところ、あなたの作品に対してどのような反応がありましたか?

Twitterでは皆満足しているようでしたが、LinkedInでは賛否が半々でした。LinkedInで幹部について何かネガティブなことを言うと、幹部ではない男性の多くが激怒します。(ちなみに、いつも男性です。男性はこの話題にとても敏感なようです。)しかし、それでも「CEOの役割が曖昧で、実際には何も実行しない、つまり製品とは直接関係のないことをしながらも、法外な金額をもらっているなら、自動化する必要があるかもしれない!」と考える人も少なくありません。あるいは、役割をより明確に定義し、その役割に対する責任を負わせ、パフォーマンスが低ければ解雇すべきかもしれません。

ここでのあなたの提案を企業が受け入れる可能性はどれくらいだと思いますか?

ああ、極めて低いですね。念のため言っておきますが、こんなことをしている会社は一つもないと思います。だからこそ、この記事では代替案を提示しているんです。つまり、ちゃんと働くCEOが必要だということです。私自身、自分の会社でかなりの部分を担っています。当然の分担以上はしていると思います。でも、私がそうしないのに、なぜ私のために働く必要があるのでしょうか? ちゃんと働かないCEOのことが、私には理解できないんです。文章を書かない編集者なら分かりますが、一度も書いたことがない、あるいは全く書かない編集者は理解できます。ただ座って電話をかけるだけの編集者?それとも編集長?あるいは、例えば、大企業を買収したプライベートエクイティの人間が、そこで何が起こっているのか全く理解していないようで、とんでもない電話をかけまくる…そういうのが問題なんです。

基本的に、私のInsiderの記事はまさにそれについてでした。経営陣は仕事の成果から切り離されているように見えます。これは根本的な問題です。

生成型 AI についてどうお考えですか。また、経営層がそれを労働者に対してどのように武器として利用しているように見えるか興味があります。

生成型AIは、実際には知能がないのに、知能があるように見えるところが面白い。まさにマッキンゼー級のコンサルタントと言えるだろう。特定のデータに基づいて、ただコンテンツを繰り返すだけだ。人生経験は一切活かされていない。新しいものも何も生み出さない。学習も思考もしていない。要するに、大きなレゴの箱を手に取って、実際の創造性を一切使わず、家の形を大まかに想像して何かを作ろうとしているだけだ。

AIには多くの謎めいた側面があり、「世界を変える」といったレトリックが盛んに語られています。しかし、突き詰めていくと、AIは基本的に企業にとってコスト削減の手段として売り込まれているのです。なぜなら、AIは従業員の一定割合を自動化する機会を提供するからです。

これは先ほどお話ししたことと関連しています。生産手段、あるいは生産プロセスから切り離された経営幹部や管理職は、コスト、生産量、スピードだけに基づいて判断を下してしまいます。なぜなら、彼らは生産プロセスを実際には理解していないからです。機械の中で何が起こっているのかを知りません。彼らが目にするのは、パイプラインに何が流れ込み、何が最終的に排出されるかだけで、その速度にしか注意を払わないのです。

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