鳥山明のクロノ・トリガーの絵は楽しいファンタジーだった

鳥山明のクロノ・トリガーの絵は楽しいファンタジーだった

30年前の今日、クロノ・トリガーが日本でスーパーファミコンに登場し、当時最高峰のRPGの一つとして世に送り出されました。その名声は時を経ても色褪せることはありません。クロノ・トリガーは、ゲームシステム、ストーリー、グラフィックのすべてにおいて、世代を超えてプレイヤーを魅了してきました。しかし、その揺るぎない成功の秘訣は、ピクセル化された美学や、伝説の漫画家・鳥山明が描き出した世界観だけではありません。

鳥山明がゲーム業界で初めてクレジットされた作品は『クロノ・トリガー』ではなかった。彼は1980年代半ばから 『ドラゴンクエスト』シリーズの主要デザイナーとして活躍し、『クロノ・ トリガー』でも再びタッグを組むことになるプロデューサーの堀井雄二氏をはじめとする開発者たちと肩を並べていた。アメリカでは、鳥山明のビジュアルスタイルが新世代のアニメファンにとって先駆者となるのは翌年、 『ドラゴンボールZ』がシンジケート放送開始となるまで待たなければならなかったが、多くの人にとって『クロノ・トリガー』での作品は、彼のトレードマークとも言える美学を初めて知るきっかけとなった。

クロノトリガーのキャラクター
©鳥山明/スクウェア・エニックス

ストーリープランナーの加藤正人によるクロノ・トリガーのメインキャストの初期アイデアとスケッチを基 に、鳥山はクロノ・トリガーの世界に 大胆かつ大胆なアイデンティティを与えました。これは、主人公のクロノとその仲間たちを古代から終末的な未来へと引きずり込む、時空を越えた冒険にふさわしいものです。多くの人が ドラゴンボールで彼の作品を知ることになる特徴は、クロノ・トリガーの鮮烈なSFファンタジーの融合にも強く感じられます 。クロノ、アイラ、マール、ルッカは、鳥山の漫画やアニメ作品でより有名になるであろう典型的なキャラクターを想起させ、ロボはカプセルコーポレーションのラインナップに違和感なく溶け込み、カエルでさえプーアルやウーロンのような擬人化された動物の伝統に合致しています。これらは鳥山氏の作品の派生作品だというわけではない。むしろ、鳥山氏のビジュアルデザインの最新進化形であり、魅力あふれる楽しい誇張された様式化をとらえているにすぎない。

そして、その魅力は クロノ・トリガーのキャラクターワークだけでなく、ビジュアルデザインにも輝きを添えている。 クロノ・トリガーは16ビットのスプライトベースのRPGだったかもしれないが、その美的感覚の至るところに鳥山氏の足跡が感じられる。地上や戦場でのキャラクターのアニメーション、ちびキャラ化されピクセル化された姿でさえも彼のトレードマークであるルッカの大きな眼鏡の輝き、クロノのスパイクヘア、ロボの装甲板の丸みを帯びたエッジなど、すべてが鳥山氏が提唱した軽快で大胆な感性を物語っており、それはゲームの冒険的な雰囲気とユーモアのセンス全体に感じられる。

クロノトリガー メイガス戦
©鳥山明/スクウェア・エニックス

このトーンはゲーム本体だけでなく、鳥山氏がポスターやボックスアート、ゲームガイドなどに施したプロモーション用イラストにも感じられる。休息中のパーティメンバーを描いているか、戦闘態勢にあるかに関わらず、彼が クロノ・トリガーのために手がけたすべての作品には躍動感と喜びが感じられ、見る者の心に旅への憧れと冒険心を瞬時に呼び起こす。輝かしいキャラクターたちと共に、何時間も旅したくなるような、 完璧なRPGアートだ 。クロノ・トリガーには、過去30年間の時を経ても色褪せることのない数々の要素が息づいているが、中でも最も色褪せないのは、鳥山氏のキャラクターと世界観へのビジョンだろう。

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