ティーンエイジ・エンジニアリングは、Playdateハンドヘルドの開発元であるパニックのような企業が、なぜ自社製品の開発に同社を頻繁に起用するのかを改めて証明しました。TX-6はTEの新しいハンドヘルド型バッテリー駆動ミキサーで、その美しさはまさに絶品です。実に美しいため、ごく少数のモバイルミュージックメーカーしか活用していないのが残念です。
ポケットオペレーターと名付けられたポケットサイズの電子シーケンサーシリーズで最もよく知られるTeenage Engineeringは、コンパクトな筐体ながら驚くほど豊富な機能を備えた電子楽器で名を馳せました。新型TE TX-6は、任天堂ゲームボーイよりも小さく見えるデバイスでありながら、フォルムと機能を完璧に両立させるというTeenage Engineeringの伝統を受け継いでいます。

精密CNC加工されたアルミニウム製のケースに収められたTX-6は、約8時間のジャムセッションが可能な充電式バッテリーを搭載し、カスタム設計・製造されたエンコーダーとフェーダー(これほど小型のミキサー用の部品を製造しているメーカーは他にありません)に電力を供給します。本体上部に配置された3.5mmジャックから最大6つのステレオソースからの信号を入力し、ミックスとリバーブ、コーラス、ディレイ、ディストーション、さらには3バンドEQなどのエフェクトの適用が可能です。各チャンネルには3つのノブがあり、すべて完全にカスタマイズ可能です。

ミキサーの片隅にある 48×64 ピクセルの小さなモノクロ ディスプレイには、TX-6 を構成するためのピクセル化されてはいるものの簡単に操作できるユーザー インターフェイスが搭載されていますが、Bluetooth も搭載されているため、MIDI コントローラーとしてアプリにワイヤレスで接続してインターフェイスしたり、USB-C ケーブルを使用して他のデバイスに物理的に接続したりすることもできます。
Teenage Engineering は、TX-6 に「4 つのオシレーター波形と 4 つの合成ドラム音」を備えたシンセサイザーとシーケンサーの機能も組み込んでいますが、ビートを刻むには同社の他の楽器作品を使用する方がよいでしょう。しかし、TX-6 で最も驚くべきはその価格です。現在 Teenage Engineering の Web サイトから入手可能なこのシンセサイザーは 1,200 ドルで、通常 1,300 ドルで販売されているものの現在売り切れとなっている同社の大人気ポータブル シンセ OP-1 とほぼ同じ値段です。そのため、TX-6 の美しいローレット ノブをいじるだけの私のようなカジュアルな音楽実験家には売りにくいですが、狭い飛行機の座席に押し込められながら最高の音楽を作る本格的なミュージシャンにとっては、おそらくより大きな価値を見出すでしょう。