ある生き物がこの世のものではなく、どこか恐ろしい世界の生き物であることを示す確かな証拠があるとすれば、それは顔がないことだ。猫の喉を鳴らすような音を再現する猫型クッション「MeowEver」の開発者にとって、顔がないことはむしろ愛嬌のある特徴であり、ユーザーがロボットに寄り添いながら、迫り来る破滅の思いを心の片隅に追いやろうとしているのだ。
猫の抽象的な形は、家庭用ロボット開発者にとって人気のインスピレーション源であり、尻尾のついたクッションのようなQoobo、本物のペットのように時々オナラをするNicobo、ロードキルの生まれ変わりとも言えるFlatcatなど、様々な猫が誕生しています。引っ掻くための手足や、威嚇するようにシューッと鳴く顔はありませんが、MeowEverは本物の飼い猫に最も近いロボットかもしれません。しかも、餌や後片付けの必要もありません。
MeowEverは顔がないため、常にうつ伏せで眠っているように見えますが、それがこのロボットの能力の限界をほぼ表しています。内部の振動モーターが、まるで動物の呼吸のような効果を生み出し、背中を撫でると優しく喉を鳴らします。また、電子レンジ対応のジェルパックを挿入すれば、この擬似動物は毛皮を通して約1時間熱を発散します。重さはわずか4ポンド強で、本物の猫と同等の重量感があり、重い毛布のようなストレス解消効果をもたらします。

MeowEverの開発者たちは、日本のクラウドファンディングサイト「Makuake」でクラウドファンディングキャンペーンを実施し、すでに目標額を大きく上回る資金を集めています。約80ドルの出資で予約注文できます。背中をマッサージしてくれるクッションと見間違えやすい製品としては高額に感じるかもしれませんが、受動的なロボット仲間としては比較的安価な部類に入ります。(売上の一部は日本の動物保護団体に寄付されます。)比較対象として、ソニーが再販したロボット犬「aibo」は2,900ドルに加え、月額利用料もかかり、抱きしめるのにはあまり向いていません。
MeowEverの配送は今年7月頃と予想されていますが、パンデミックはまだ終息に程遠く、マイクロチップの生産から配送まであらゆる面で影響が続いているため、期待はずれになってしまいます。特に日本国外にお住まいの方は、クラウドファンディングキャンペーンが終了し、MeowEverが日本製品の輸出サイトで販売されるまで、購入を控えた方が良いかもしれません。