アニメ、特に少年アニメをご覧になる方なら、東映アニメーションをご存知でしょう。このスタジオは『ドラゴンボール』や『美少女戦士セーラームーン』 といった人気漫画のアニメ化で知られ、数多くの作品を制作しています。これらのアニメシリーズや映画が公開される際には、AI(人工知能)を活用した作品も登場するかもしれません。
東映が最近公開した2024~2025年度の決算説明会資料のスライドには、同社が「最先端AI技術」を持つ日本企業であるPreferred Networksに非公開の金額を投資したことが明記されている。両社は「AIとアニメ制作技術の相乗効果を活かし、新たな事業機会を共同で創出し、制作の効率と品質を向上させる」ことを目指している。

東映は、作品における絵コンテ、彩色(および色指定)、背景、そして中間調へのAI活用を特に検討しています。挙げられているユースケースとしては、中間調の自動補正や正しい色の指定・選択、参照写真からの背景生成などが挙げられています。現時点では、スライドでは将来の展望についてのみ触れられており、『ワンピース』や 近日公開予定の『デジモン ビートブレイク』 、『五等分 の花嫁』といった スタジオの現在制作中の作品にこの技術が採用されていることについては触れられていません。
AIは、エンターテインメント業界全体において、その活用と議論をめぐって物議を醸してきました。AIは効率化の手段であり、単純作業の削減に役立つとしばしば主張されてきましたが、声優やアートといった様々なクリエイティブ分野の労働者は、スタジオがアーティストの同意なしにAI技術を導入し、プロジェクトに組み込むことで、生計が脅かされていると感じています。また、AIは一種の窃盗、あるいはデジタル降霊術であり、制作プロセスに余分な手間をかけたり、リリース時に意図しないエラーを引き起こしたりする可能性があると考える人もいます。東映は大企業であり、その技術の活用方法は、他のスタジオから作品を観るファンまで、あらゆる人々に影響を与えるでしょう。
io9のニュースをもっと知りたいですか?マーベル、スター・ウォーズ、スタートレックの最新リリース予定、DCユニバースの映画やテレビの今後の予定、ドクター・フーの今後について知っておくべきことすべてをチェックしましょう。