『チャイルド・プレイ』シリーズのファンなら、新作ドキュメンタリー『リビング・ウィズ・チャッキー』は必見だ。カルト的な人気を誇るホラーシリーズを愛情たっぷりに描いたこの作品には、クリエイターのドン・マンシーニをはじめ、主要キャストのほとんどへのインタビューが収録されている。作品自体は少々ムラがあるものの、原作への愛情は力強く、そしてはっきりと伝わってくる。
『リビング・ウィズ・チャッキー』は、脚本・監督を務めたキラ・エリス・ガードナーの長編デビュー作。彼女とキラは個人的な繋がりがある。彼女の父親はベテラン特殊効果アーティストのトニー・ガードナーで、2004年の『チャッキーの種』をはじめ、その後のチャッキー関連プロジェクトを数多く手がけている。この家族の繋がりが、このドキュメンタリーの素晴らしい取材機会につながっている。マンシーニや長年シリーズを手がけてきたデヴィッド・カーシュナーだけでなく、主演のジェニファー・ティリー、アレックス・ヴィンセント、クリスティーン・エリス、ブラッド・ドゥーリフ、フィオナ・ドゥーリフ、ビリー・ボイド、ジョン・ウォーターズといった面々への気さくなインタビューが満載だ。さらに、チャッキー映画には出演していないものの、ホラージャンルについて興味深いことを語るリン・シェイ(インシディアス)やアビゲイル・ブレスリン(ゾンビランド)といった俳優陣にもインタビューしている。このドキュメンタリーは、1988年の『チャイルド・プレイ』から始まり、年代順に第1作の起源を掘り下げていく。そこには、恐ろしい人形についての映画を作りたいと思っていたキルシュナーが、ちょうどいいタイミングでマンシーニのオリジナル脚本に出会ったという幸運な状況も含まれている。

『チャイルド・プレイ』の各作品を取り上げ、関係者の個人的な逸話や舞台裏の話を紹介しながら、『リビング・ウィズ・チャッキー』では、チャッキーというキャラクターが長年にわたってどのように進化してきたか、そしてシリーズ自体がどのように変化してきたかについても探っている。後者では、チャイルド・プレイ・シリーズが長年にわたる予算削減に伴ってどのように調整してきたか(CGではなく実写効果に大きく依存している主な理由)、そしてマンシーニ監督が、シリーズで最もキャンプ風でコメディ色の強い『チャッキーの種』に続いて、より真剣に取り組んで実際に怖がらせることを目指した『チャッキーの呪い』で、どのようにトーンの変化を試してきたかについて考察している。また、ゲイであるマンシーニ監督が、どのようにクィアのテーマをシリーズに取り入れ、ホラーというジャンルに新境地を開いたかについても議論されている。

100分の長編映画『リビング・ウィズ・チャッキー』は、残り25分ほどで、シリーズ最後の長編映画となる2017年の『カルト・オブ・チャッキー』に焦点を当てた物語を締めくくる。しかし、現在SyfyとUSAネットワークで放送されているシリーズ『チャッキー』のファン(ファンは多く、シーズン3も控えている)は、ドキュメンタリーの最後の瞬間に同シリーズがほんの少ししか触れられていないことにがっかりするだろう。ガードナー監督の映画は、チャッキーが世に出る前からほぼ完成していたように感じられる。ティリー、ヴィンセント、エリーゼといった人気キャラクターが演じるキャラクターたちに新たなキャラクターやストーリーが融合し、いわば『チャイルド・プレイ』の拡張ユニバースの重要な拡張となった本作は、実に残念な作品だ。
代わりに、ガードナーは残りの時間を自己紹介と『チャイルド・プレイ』との繋がりの説明に費やした。これは至極当然のことだ。しかし残念ながら、映画業界の性質上、家族が長期間離れ離れになることがよくあることなど、有益というより自己満足的な話題に終始してしまう、まとまりのない部分へと繋がってしまった。大部分は活気とエンターテイメントに溢れたこのドキュメンタリーが、15分ほど短ければ良かったのにと思わずにはいられない。しかし、最後まで見れば、ティリーが『チャッキー』のセットでティファニー役に再びなりきる姿を垣間見ることができる。これは必ず見るべき価値がある。
『リビング・ウィズ・チャッキー』は、米国とカナダで4月4日よりオンデマンド配信開始。コレクターズ・エディションのブルーレイは、米国とカナダで4月18日より発売。英国とアイルランドでは、4月24日より購入またはレンタルが可能で、ブルーレイも発売されます。
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