科学者チームは、野生のゾウアザラシが潜水するときの脳の活動を記録し、動物が潜水中に眠るときに取る風変わりな移動経路を解明した。
ゾウアザラシが外洋でいつ、どこで眠るのかは謎に包まれていた。ゾウアザラシは一度に何ヶ月も海で餌を探すため、どこかの時点で眠らなければならない。研究者たちは今、その答えを見つけたと考えており、本日Science誌に掲載された論文でその答えを述べている。
ゾウアザラシは通常、水面下1,000~2,000フィートまで潜りますが、カリフォルニア州公園レクリエーション局によると、5,700フィート近くまで潜った記録もあります。陸上にいる間は1日10時間以上と長時間睡眠をとります。しかし、カリフォルニア大学サンタクルーズ校が発表した今回の研究によると、海上での睡眠時間は平均わずか2時間です。
アザラシは外洋を移動する途中でどこかで休息をとる必要があるが、同時に海面で最も脆弱な天敵であるサメやシャチとの接触を最小限に抑える必要がある。
実は、アザラシは30分間の潜水中に眠り、1回につき約10分間眠るそうです。

「この間、アザラシは受動的に漂流しており、らせん状の模様は水中を落下する物体の流体力学的結果だと考えています。落ち葉がらせん状に回転しながら上下に揺れるのとよく似ています」と、スクリプス海洋研究所の進化生物学者でこの研究の筆頭著者であるジェシー・ケンドール=バー氏は、ギズモードへのメールで述べた。
「徐波睡眠中、彼らは姿勢制御を維持でき、通常は方向を保って一直線に滑降するようです。しかし、徐波睡眠中に逆さまになって螺旋状に動き始めることもあります」とケンドール・バー氏は付け加えた。
ケンドール・バー氏は、外洋の深いところにいるアザラシの動きを記録できる脳波(EEG)システムと、移動中のアザラシの位置と速度を記録する装置を設計した。
研究チームは、アザラシが水中を螺旋状に泳ぐ時のみ、レム睡眠(急速眼球運動睡眠)に入ることを発見した。これは、アザラシがレム睡眠に入ると金縛り状態になり、通常とは異なる運動パターンをとるためだと考えている。
陸上では不格好な巨大な生物が、深海で眠っている間は優雅に動いているとは、想像するだけで不思議な気分だ。しかし、これは自然の偉大さ、そして研究者たちが未だに解明していないことの多さを改めて証明するものだ。
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