ワーナー・ブラザースのDCコミックス問題はワーナー・ブラザース自身にある

ワーナー・ブラザースのDCコミックス問題はワーナー・ブラザース自身にある

映画業界、特にIP大作において「計画」という言葉は、もはや汚い言葉だ。経営陣があまりにも頻繁に使いすぎたため、その意味は完全に失われているだけでなく、新作映画への期待を根底から打ち砕いてしまう可能性がある。なぜなら、それは基本的に、今後数年間仕事を続けたいと考えている人の頭の中でしか存在しないフランチャイズを立ち上げるために、その映画の何かに膨大な時間を費やすことになる、と宣伝しているようなものだからだ。

しかしここでワーナー・ブラザースがまたもや「計画」という言葉を使っており、これもまたDCコミックスの映画化に関連している。今週初めの投資家向け電話会議で、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEO、デビッド・ザスラフ氏は、同社はDCの10年計画を策定するチームを結成したと述べた。その目標は、最終的にDCに独自のケヴィン・ファイギ、いや、会社が実際に2本半の映画よりも長く信頼を置ける独自のケヴィン・ファイギを与えることだ。ザスラフ氏によると、バットガールが解雇された理由の一部はこれが理由だ。計画に合わなかったし、ワーナー・ブラザースは現在DCブランドを守ることに懸念を抱いており、それには主演俳優がPR上の悪夢となっている次の映画に完全に左右されるリセットが必要になるため、ワーナー・ブラザースとしてはHBO Maxでそれを放棄してマリガンとするのが賢明だろう。

画像: ワーナー・ブラザース
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映画界の未来を担う作品が公然と失敗に終わったことは何度もあるため、スタジオはマーベルの成功(収益が逓減しつつある)を追うのをやめるだろうと思われるだろう。よりにもよってワーナー・ブラザースが再びこのような策略を巡らせたことは特に痛烈だ。ザック・スナイダーのDCでの物議を醸した在任期間について語りたくなくても、同社が長期的なゲームに向いていないことは明らかだ。ライアン・レイノルズがグリーン・ランタンのスーツを着た2011年当時もそうではなかったし、ジョス・ウェドンを起用して軌道修正を図り、スーパーヒーロー作品でいかに力不足だったかを浮き彫りにした2017年もそうではなかった。この時点でワーナー・ブラザースはあまりにも多くの信頼を失ってしまったため、侮辱的なほど簡単な薬物検査にも合格できないほどだ。

ワーナー・ブラザースが得意とするのは短期的な勝負だ。2017年の『ジャスティス・リーグ』以降、DCエクステンデッド・ユニバースの断片化は大きな利点となり、各作品が独立した作品として成立するようになった。『アクアマン』、『シャザム』、『ハーレイ・クイン』はそれぞれ独自の魅力を持ち、それぞれの監督は他の作品との整合性を気にすることなく、ただ楽しむことができた。マーベル作品はどれも大体同じ監督の作品のように感じられるが、2017年以降のDC作品は、良くも悪くも独自の個性を持っている。いくらジョークを飛ばそうとも、ノーラン版バットマンがスナイダー版バットマンや、今年初めにマット・リーヴスが手がけた新しいバットマンとどう違うのかは容易に分かる。

画像: ワーナー・ブラザース
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ワーナー・ブラザースが今後10年間注力すべきは、DC映画の人間的要素だ。シネマティック・ユニバースなんてクソくらえだ。架空のエンドゲームを念頭に置いた企画なんてクソくらえだ。もう何も面白くない。IP重視のブロックバスター時代に留まらざるを得ないのなら、せめて監督や脚本家が本領を発揮できる遊び場にしてもらいたいものだ。ワーナー・ブラザースは今頃、こんなシンプルなコンセプトを学び、体現しようとしているはずだ。


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