権力を持ちながらも全く好感の持てない二人の男による、意図的に公の場で繰り広げられる確執が続いている。今回は、10月にAmazonのライバルであるMicrosoftに授与された、高額な政府契約をめぐっての争いだ。果たしてどちらが勝利するのか?そして、どちらにも勝利がないという可能性もあるのだろうか?
問題の契約である統合企業防衛インフラ(JEDI)は、事実上、国防総省による100億ドル相当のクラウドコンピューティング能力の購入注文と言える。略奪品が絡み、企業倫理にも疑問が投げかけられていることから、これまでの道のりは困難を極めてきた。
Googleは契約締結発表のわずか数週間前に競争から撤退し、Microsoftの従業員は国防総省とのより深い関係の可能性に抗議した。JEDIのもう一つの有力候補であるOracleは、Amazonのプロセスに偏りがあるとして訴訟を起こした。この訴訟の支柱となっているのは、JEDI契約の前後にAmazon Web Serviceで役職を務めていた国防総省職員、Deap Ubhi氏である。
そしてもちろん、Amazon CEO のジェフ・ベゾス氏とドナルド・トランプ大統領の長引く確執があるが、JEDI 獲得に失敗したことで、この確執は同社にとって非常に役立つ武器となっている。「AWS の親会社である Amazon.com, Inc. (以下「Amazon」) の創業者であるジェフリー・P・ベゾス氏に対するトランプ大統領の偏見は公的記録の問題である」と、本日開示された同社の申し立て書には記されている。「就任前から、トランプ大統領は自分が大統領になったら Amazon は『問題を抱える』と公約して選挙運動を行っていた」。Amazon はまず 11 月初旬、国防総省の JEDI 決定に異議を唱える訴訟を起こしており、その根拠として、ベゾス氏に対する大統領の個人的な恨みと、本日の申し立て書で簡潔に述べられているように「個人的な動機を進めるために、連邦政府の調達を含む政府機能の秩序ある運営を混乱させる」意欲を再び挙げている。
アマゾンの主張に一理あるだろうか?もちろんだ。トランプ氏は、アマゾンと米国郵政公社(USPS)の寄生的な関係、実店舗ビジネスを圧倒する同社の常套手段、そして脱税の成功などを理由に、ベゾス氏を公然と攻撃してきた(ある時は彼を「ジェフ・ボゾ」と呼んだ)。しかし、トランプ氏の最大の敵は、ベゾス氏が所有するワシントン・ポスト紙と、同紙が現政権の破滅的な状況をしばしば批判する報道だ。最も鮮明なのは、マティス前国防長官の元スピーチライター、ガイ・スノッドグラス氏によると、トランプ氏がマティス前国防長官に対し、アマゾンを買収から「締め出せ」と指示したとされる事件だ。
世界で最も政治的に影響力を持つ人物と世界で最も裕福な人物が、連邦裁判所で個人的な侮辱とみなされる行為をめぐって争うのを見るのは、何かスリリングなものがある。大部分はひどく、吐き気がするほどだが、そのスケールの大きさが、まるで疫病やマーベルのクロスオーバー映画のように、興奮を掻き立てる。
しかし、アマゾンがこれらの「多数の、そして複雑に絡み合った偏見的な誤り」について証言を求めているのはトランプ氏だけではない。提出書類にはマティス国防長官のほか、現国防長官マーク・エスパー氏、国防総省最高情報責任者ダナ・ディージー氏、さらに情報源選定機関、情報源選定諮問委員会、情報源選定評価委員会のメンバーも名前に挙げられているが、非公開の提出書類ではこれらのメンバーの名前は伏せられている。
とはいえ、トランプ氏が証言を求められ、実際に命令に従う可能性はどれほどあるだろうか? 極めて低く、ほぼゼロに近い。彼がアマゾンから全く必要のない100億ドルを搾取したとして非難されているのは、手続きと法の支配を軽視しているからであり、トランプ氏の性癖が今後も変わる兆しは見当たらない。