陸軍の新型暗視ゴーグルは宇宙人から盗まれた技術のように見える

陸軍の新型暗視ゴーグルは宇宙人から盗まれた技術のように見える

暗視ゴーグルといえば、真っ暗な夜空を緑色の海のように照らし、視認性を向上させるものを想像するでしょう。しかし、それはもはや時代遅れの技術です。ルイス・マコード統合基地の米陸軍ランサー旅団が、最新鋭の暗視ゴーグルを通して兵士たちが何を見ているのかを実演しています。プレデターだって羨ましがるでしょう。

強化型暗視ゴーグル双眼鏡(略称ENVG-B)として知られるこの新型ゴーグルは、兵士があらゆる照明条件下で周囲の状況を把握するだけでなく、何を見ているのかを正確に識別する能力を飛躍的に向上させることを目的として設計されました。これが従来の暗視ゴーグルの最大の問題点でした。従来のゴーグルは、低照度下で集められた光子を電子に変換し、真空管を通過する際に増幅させ、最終的に蛍光体でコーティングされたスクリーンを照らし出すことで、ゴーグルが捉えているもののより明るい画像を提供していました。

暗視技術において従来の緑色が選ばれたのは、暗闇の中で長時間見やすい色と考えられていたためです。しかし、明るくなった画像はコントラストが欠け、ノイズが多いことが多く、ユーザーが実際に何を見ているのか理解するのが困難でした。戦闘中の兵士にとって、これは特に問題となります。

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新型ENVG-B暗視ゴーグルは、緑色の蛍光管を白色の蛍光管にアップグレードし、コントラストと明るさを向上させた画像を生成します。さらに、既存の技術に加え、地下など外部照明が全くない場所でも塵や煙などの障害物を透過して視認できる熱画像装置や、リアルタイムエッジ検出などの拡張現実(AR)技術も搭載され、仲間の兵士などの物体を強調表示して輪郭を浮かび上がらせます。さらに、このゴーグルは武器に搭載された電子スコープと無線通信できるため、兵士は物理的に脅威にさらされることなく、遠隔からスコープを覗き込み、標的を狙うことができます。

画像: アメリカ陸軍調達支援センター
画像: アメリカ陸軍調達支援センター

陸軍の新型ENVG-Bゴーグルが解決しようとしている従来の暗視技術のもう一つの課題は、立体視機能の欠如です。人間の脳は、見たものを評価し、完全な奥行き知覚で目標を追跡する能力がはるかに優れていますが、暗視を実現するために必要な電子機器のコストが高いため、兵士にこの技術を搭載した単眼鏡を装備させる方がはるかに安価でした。ENVG-Bゴーグルは、兵士が夜間に3D映像を見ることができる「デュアルチューブ双眼鏡システム」を備えています。また、片方のチューブを折り畳んで取り外すことができるため、暗視機能を利用して、兵士が本来の目で見ているものをより鮮明に再現することもできます。

ENVG-Bゴーグルは約2ポンド(約900g)で、双眼鏡ほど軽量ではありません。バッテリー駆動で約8時間駆動するため、双眼鏡ほど軽量ではありませんが、旧型の同技術よりもはるかに小型軽量で、装着時に不快なヘッドストラップを必要としません。兵士のヘルメット前面にマウントして簡単に装着できます。この技術はゲームチェンジャーとなる可能性があり、現場で期待通りの性能を発揮し、数年後には一般向け製品にも採用されることを期待しています。

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