イーロン・マスク、広告主の逃亡でユダヤ人問題からピザゲート問題へ

イーロン・マスク、広告主の逃亡でユダヤ人問題からピザゲート問題へ

イーロン・マスクが苦境に立たされている自身のソーシャルメディアサイト「X」から積極的に広告主を追い出そうとしているとすれば、実に見事な成果と言えるだろう。反ユダヤ主義的だと広く非難されたツイート(そして広告主の流出にも繋がった)をめぐり、激しい批判の嵐を巻き起こしたばかりのマスクだが、今度は「ピザゲート」陰謀論に踏み込もうとしているようだ。これは確かに的を射ているように思える。

火曜日、どこからともなくマスク氏は、民主党(特にヒラリー・クリントン)、悪魔崇拝、小児性愛者ネットワーク、そしてワシントンD.C.の人気ピザ店を結びつけるという突拍子もない説について言及した。その後削除されたツイートで、マスク氏はピザゲートの暴露に貢献した偽情報対策の専門家たちが、児童に対する犯罪を通じて何らかの形でこの陰謀に関わっていると示唆するようなミームを共有した。「少なくとも少しは怪しいですね」と、億万長者のテック界の大物は漠然とした口調で述べた。

スクリーンショット: X/Lucas Ropek

そうですね、確かにイーロン、もしそれが実際に真実であるという証拠があったら疑わしいと思われるかもしれません。

マスク氏のミームは、昨年逮捕され、凶悪な児童ポルノの罪で有罪を認めたABCの元国家安全保障担当記者、ジェームズ・ゴードン・ミーク氏を指していると思われる。逮捕後、右翼のネットユーザーは、ミーク氏が以前ピザゲート説を「暴こう」と試みたと主張し、架空の倒錯した陰謀団を隠蔽し、あるいは何らかの形で関与していたと示唆した。しかし、ロイター通信は、これらのネットユーザーが根拠のない(あるいは少なくとも極端に誇張された)主張を広めていたと報じている。2017年のABCの記事でミーク氏によるものと一部言及されている「暴かれたピザゲート陰謀説」については簡潔に言及しているものの、ロイター通信は、ミーク氏がこの説について個人的に調査を行ったり、積極的に暴こうとしたことは一度もないと指摘している。

最近では、右翼のXユーザーが、今月初めに児童ポルノ容疑で逮捕・投獄された動画ニュースサイト「ザ・リカウント」の元編集者、スレイド・ソマー氏について、ほぼ同様の主張を展開している。一部のXユーザーは、ソマー氏がピザゲートを「暴露する」記事を書いた、またヒラリー・クリントン前大統領選の選挙委員長ジョン・ポデスタ氏の親しい「友人」だったという説を広めている。これらの主張の出所や根拠は明確ではない。「ピザゲート」とソマー氏の名前でGoogle検索しても、記事はヒットしない。また、ソマー氏がポデスタ氏の親しい友人だったという証拠も見当たらない。メディア「Evie」は、Xユーザーがソマー氏とミーク氏を混同している可能性があると指摘している。

いずれにせよ、この話の真髄は、マスク氏が広告主をいかに怖がらせるかを知っているということだ。約1週間前の「ユダヤ人」発言は、彼のプラットフォームXから広告費が大量に流出しただけでなく、イスラエル旅行のきっかけにもなったようだ。そこで彼はビビと会い、世界最小と思われる防弾チョッキを着用した(まるでフレンチブルドッグ用にデザインされたかのようだ)。もちろん、こうした発言が、彼がツイート内容にこれまで以上に気を配るきっかけになったわけではないようだ。

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