コーニング社、最新のスマートフォン用ガラスは強度が増し、耐久性も2倍に向上したと主張

コーニング社、最新のスマートフォン用ガラスは強度が増し、耐久性も2倍に向上したと主張

コーニング社のGorilla Glassは、スマートフォンを日常生活の危険から守るために使用されている最も認知度の高い部品の一つです。通常、Gorilla Glassの新世代は、落下や傷に対する耐久性のどちらか一方が向上しますが、両方が向上することはありません。しかし、コーニング社は最新のGorilla GlassであるGorilla Glass Victusにおいて、その状況を変えると約束しています。

以前のバージョンのGorilla Glassを振り返ると、コーニング社は耐久性の1つの側面にのみ注力せざるを得ませんでした。例えば、Gorilla Glass 3はGorilla Glass 2に比べて傷が40%少ないと謳われていましたが、第4世代のGorilla Glass 4では落下耐性が2倍になったとコーニング社は発表しました。つまり、Gorilla Glassの改良に関しては、コーニング社はいわば行き来する開発サイクルを採用してきたのです。

コーニングにとって大きな問題は、傷から守るために素材を硬くすればするほど、素材が脆くなり、落とした際に割れやすくなることです。逆に、柔軟性を高めたり、衝撃や振動への耐性を高めたりすると、硬度は低下する傾向があります。さらに、購入者からのフィードバックを求めた結果、ほとんどの人は落下保護と傷防止を区別しておらず、両方の性能を備えた製品を求めていることが分かりました。

コーニング社のテストデバイスの画面の端を見てみると、普通の携帯電話よりもはるかに頑丈に見えます。
コーニングのテスト端末の画面端を見てください。普通のスマートフォンよりもはるかに頑丈に見えます。写真:コーニング

コーニング社はGorilla Glass Victusでまさにそれを実現しようとしています。同社は、Victusが前世代と比べて耐落下性能と耐傷性の両方で初めて大幅に向上したと主張しています。コーニング社によると、Gorilla Glass 6と比較して、Gorilla Glass Victusは耐傷性が2倍、落下強度が25%向上しています。また、Gorilla Glass Victusは、最大6.5フィート(約2メートル)の高さから硬く粗い表面への落下試験でも破損しないことが実証されています。一方、Gorilla Glass 6は最大5.25フィート(約1.5メートル)の高さからの落下試験にしか耐えられません。

理論上はどれも素晴らしいように聞こえますが、パンデミックによる隔離が始まる前、毎日のように画面が割れた携帯電話を目にしていたことを考えると、コーニング社の最新のゴリラガラスには、実現すべき大きな期待が寄せられています。同社のテスト結果は素晴らしいように聞こえますが、同社が提供したサンプル画像の一部を見ると、テストデバイスは実際の市販デバイスに使用されているガラスよりもはるかに厚いガラスを使用しているようです。[注:コーニング社から連絡があり、テストデバイスには0.6~0.8mm厚のVictusガラスが使用されており、これは市販の携帯電話に使用されているガラスの厚さとほぼ同じであるとのことです。]

以下は、Corning 社が提供した、Gorilla Glass Victus の傷テストの様子を示す写真です。
コーニング社がゴリラガラス・ビクタスに施した傷試験の様子を撮影した写真です。写真:コーニング

しかし、デバイスの前面と背面の両方にガラスパネルを備えた携帯電話が増え、デバイスメーカーがスマートウォッチ、タブレット、ラップトップなどの他のガジェットの設計にガラスを使用するようになると、破損を防ぐために常にケースに包む必要のないガラスの必要性がさらに高まっています。

[更新: 午後 1:30 (東部標準時)] 今朝の Gorilla Glass Victus の発表に続いて、私は Corning 社の副社長 Scott Forester 氏と話をする機会があり、同氏は Corning 社の最新製品に関する興味深い詳細をいくつか明らかにしました。

1 つ目は、より洗練された製造プロセスを使用しているにもかかわらず、Victus の傷耐性が向上したことにより歩留まりが高くなり、デバイス メーカーがデバイスに Victus を組み込むコストが Gorilla Glass 6 とほぼ同じになるという点です。願わくば、これはプレミアム デバイスに Victus を搭載することで将来のデバイスの価格が直接上昇することはないことを意味します。

さらに、ガラスはプラスチックよりも熱伝導率が高いため、多くのデバイスメーカーは5Gモデムから発生する余分な熱を放散させるため、5Gスマートフォンにガラスを多く使用しているとフォレスター氏は述べた。そのため、プラスチック製の背面を持つスマートフォンが増えることを期待している人にとっては、少なくとも近い将来は、あまり期待しすぎない方が良いだろう。

最後に、フォレスター氏は、SamsungがGorilla Glass Victusを採用した製品を発売する最初のデバイスメーカーになると述べました。残念ながら、具体的なデバイス名や発売時期については言及しませんでしたが、Corningの発表がSamsungの次回Unpackedイベントのわずか数週間前というタイミングであることは、Gorilla Glass Victusが8月上旬に開催されるSamsungの展示会で一般向けにデビューする大きなヒントになるかもしれません。

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