昨年、キヤノンはEOS R5でフルサイズミラーレスカメラの限界を押し広げました。そして今、同社はハイエンドのスポーツや野生動物の写真家向けに特別に設計されたプロ仕様のカメラ、新型EOS R3をリリースします。
キヤノンは、6,000ドル(本体のみ)のROS R3は同社史上「最も技術的に進歩したフルサイズミラーレスカメラ」だと主張しています。EOS R5のような8K動画撮影には対応していませんが、R3には多くのアップグレード機能が搭載されており、特に動きの速いシーンで高い応答性を求める撮影者にとって魅力的です。
EOS R3の改良点は、新開発の2410万画素BSI積層型CMOSセンサーから始まります。キヤノンによると、このセンサーは非常に優れており、EOS 5D Mark IVの3040万画素センサーよりも優れた解像度を実現しています。Digic Xプロセッサーと組み合わせることで、R3は電子シャッターで最大30fps(メカニカルシャッターで最大12fps)の14ビットRAW画像を150枚連続撮影できます。さらに、ボタン1つでサイレント撮影(AF補助光、フラッシュ、シャッター音なし)を選択することもできます。

EOS R3は、ISO 100から102,400(静止画撮影時はISO 204,800まで拡張可能)という優れたISO感度範囲を誇り、最大60fpsの撮影中にオートフォーカスとトラッキング調整をサポートします。キヤノンによると、R3にはさらに改良されたオートホワイトバランスが搭載されており、新たに「記録&登録ホワイトバランス」モードが追加され、撮影環境に合わせたカスタムホワイトバランスをより迅速かつ簡単に設定できるようになります。
EOS R3 の AF パフォーマンスも、センサー全体に 1,050 個の AF ポイントを配置し、新しい車両追跡モード (アップグレードされた目、顔、体の検出機能とともに) を含む強化された追跡機能のサポートにより大幅に向上し、F1、ラリー、モトクロスなどのプロの自動車スポーツをよりよく撮影できるようになりました。
しかし、おそらく最も魅力的な変更点は、キヤノンがR3のEVFで被写体を見るだけでフォーカスを合わせられる、瞳AF(Eye Input AF)の最新バージョンを搭載していることでしょう。キヤノンは1992年以来、瞳AFを従来のカメラに搭載してきましたが、EOS Rシリーズにこの機能を搭載するのは今回が初めてです。これは、この機能がついに、最も要求の厳しいプロ写真家にも受け入れられる準備が整ったことを示唆しています。
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R3のEVFには、目がどこを見ているのかを追跡する専用センサーが内蔵されており、キヤノンは瞳AF機能がすべての目やコンタクトレンズの種類には対応していない可能性があると認めているものの、メガネの有無にかかわらず機能をサポートする非常に詳細なキャリブレーションシステムを提供しています。
R3の576万ドットEVFは、60Hzまたは120Hzのリフレッシュレートに対応したOLEDパネルを搭載し、従来のライブ露出表示モードと、より広いダイナミックレンジに対応した拡張OVFシミュレーションモードの切り替えが可能です。さらに、便利な機能として、キヤノンはアップグレードされたフリッカー抑制機能を搭載しました。この機能により、近くの光による縞模様(バンディング)をカメラで抑制することができ、フリッカー抑制の周波数を50Hzから8192Hzまで調整できます。
動画に関しては、8K録画を希望するユーザーにとってEOS R5は依然として最適な選択肢となるでしょうが、R3は6K 60fps RAWモード、クロップなしの4K 10bit 120fps設定など、幅広い撮影モードを備えています。また、他のハイエンドEOS Rシリーズと同様に、R3はEOS R5/R6と同様に、最大8段分(レンズによって異なります)の手ぶれ補正をサポートする5軸ボディ内手ぶれ補正機能を搭載しています。
最後に、プロ仕様のカメラにふさわしく、EOS R3は縦位置グリップを内蔵した耐候性マグネシウム合金ボディを採用しています。キヤノン 1DX Mark IIIとほぼ同等のサイズでありながら、EOS R3は約70%軽量で、重量はわずか1.81ポンド(本体のみ)です。

EOS R3は決して安くはありませんが、多くのハイエンドフォトグラファーが待ち望んでいた、老朽化した1DX Mark IIIの後継機となるフルサイズミラーレスカメラになりそうです。R3は11月中に発売予定です。