『名探偵ピカチュウ』はポケモンにとって小さいながらも大きな衝撃だった

『名探偵ピカチュウ』はポケモンにとって小さいながらも大きな衝撃だった

任天堂のポケモンシリーズは数十年にわたりポップカルチャーを強力に牽引しており、その勢いはすぐに変わることはないだろう。その力の大部分はビデオゲームとトレーディングカードゲーム、そして永遠に続くアニメ、そしてそこから派生した映画やテレビ番組に由来している。では、最大級のビデオゲーム資産の一つをさらに大きくするにはどうすればいいのだろうか?それは、ハリウッドへの大胆な挑戦だ。

2019年5月3日に日本で初公開され、翌週にはアメリカでも公開された『名探偵ピカチュウ』は、ポケモン初の実写映画であり、任天堂にとっては『スーパーマリオブラザーズ』以来のビデオゲーム映画でもある。ポケモンが大型予算で映画化されるなどと誰かが思っていたとしても、ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズが手掛けるとは思ってもみなかっただろう。ましてや、ブランドマスコットのピカチュウがライアン・レイノルズの声優を務める私立探偵という2016年のスピンオフゲームをベースにした作品になるとは。確かに、モンスターたちはファンが夢見ていた通り、驚くほどリアルで触れられる存在に見えたが、デッドプールを主役に据えたことで、すべてが台無しになっていた可能性もあった。これは成功するのだろうか?

画像: ワーナー・ブラザース/レジェンダリー・ピクチャーズ/株式会社ポケモン
画像: ワーナー・ブラザース/レジェンダリー・ピクチャーズ/株式会社ポケモン

答えは「イエス」だった。『名探偵ピカチュウ』はまずまずの好評を博し、全世界で4億5010万ドルの興行収入を上げた。当時、少なくとも昨年『スーパーマリオ』シリーズにその座を奪われるまでは、同作は当時最高の興行収入を記録したゲーム映画だった。2020年代に入ってからもパンデミックやハリウッドのストライキに見舞われていなかったら、今頃は続編が公開されていただろう。昨年、『ポートランディア』の共同制作者であるジョナサン・クライセルがクリス・ガレッタの脚本で監督に抜擢されたが、実現は少なくとも2年は先になりそうだ。(『アベンジャーズ/エンドゲーム』がまだ公開中だったのも、おそらく正しい判断ではなかっただろう。)現状では、ゲーム映画界にまずまずの印象を与えた評価の高い作品だが、不運に見舞われてその未来は閉ざされてしまった。

同時に、ポケモンのトランスメディア展開という点では、本作はそれなりのインパクトを与えたようだ。アニメは成功の有無に関わらず存続するだろうが、映画の成功は任天堂がこのフランチャイズの可能性に目を向けるきっかけとなったことは間違いない。本作がなければ、『ポケモンコンシェルジュ』や、ポケモンの世界観ではなく、ポケモンの影響力と広がりを描いたオリジナルドラマシリーズ『ポケットに冒険を詰め込んで』は存在しなかっただろう。そして、これは私たちが知っている情報に過ぎない。今後1、2回開催されるポケモンダイレクトで、パラマウント映画『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のような映画ユニバースを任天堂が計画していることが明らかになるかもしれない。

画像: ワーナー・ブラザース/レジェンダリー・ピクチャーズ/株式会社ポケモン
画像: ワーナー・ブラザース/レジェンダリー・ピクチャーズ/株式会社ポケモン

『Fallout』や『The Last of Us』、あるいは『Arcane』といった他のビデオゲーム作品と比べると、『名探偵ピカチュウ』は見過ごされがちだと感じても仕方ないだろう。続編がいつ公開されるかは定かではない。アニメ版と同じようなものだ。次に何が登場するかは定かではないが、前作の成功の方程式をさらに発展させた進化を遂げることを期待したい。もしそうでなくても、少なくともピカチュウが踊る映像が、その日を明るくしてくれるだろう。


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