イーロン・マスク氏は火曜日早朝、Xに自身の薬物検査結果と思われる投稿を掲載した。複数の信頼できる報道機関がマスク氏が違法薬物を常用していると報じているにもかかわらず、この億万長者のオリガルヒは、コカイン、エクスタシー、ケタミンなど、これまで使用していたとされる薬物の検査結果が陰性だったようだ。
マスク氏は「lol」とだけツイートし、テキサス州オースティンのFastest Labs of South Austinという会社が作成したと思われる報告書の画像を添付した。マスク氏が投稿した画像には、6月11日に採取され、6月13日に研究所に届いた尿検査結果が記載されている。報告書の日付は6月16日となっている。
報告書によると、マスク氏は過去に使用していたとされるベンゾジアゼピン、アンフェタミン、オピオイドなどの薬物検査で陰性だった。5月下旬のニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、マスク氏と最も関連が深いのはケタミンで、この薬物は膀胱に悪影響を及ぼしたとされている。この億万長者は、数年前にうつ病の治療でケタミンを処方されたと述べているが、最近ではここ数年は服用していないと述べている。
笑 pic.twitter.com/pMe3YfXFxS
— イーロン・マスク(@elonmusk)2025年6月17日
マスク氏は、自身の薬物使用歴についてニューヨーク・タイムズ紙が「嘘をついている」と非難した。しかし、同紙が初めてこの件を報じたわけではない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、2024年1月にマスク氏のLSD、コカイン、エクスタシー、マッシュルーム、ケタミン使用疑惑について最初に報じた主要紙だった。記事では、マスク氏の薬物使用が事業に悪影響を及ぼしているのではないかと懸念する社内の情報筋の発言が引用されていた。

マスク氏は火曜日に自ら薬物検査の結果を公表したため、それが事実を正確に反映しているという彼の言葉を信じるしかない。しかし、マスク氏がこれまで数々の話題について不誠実な発言をしてきたことを考えると、一部の人にとっては当然ながら受け入れにくいだろう。例えば、社会保障局で広範な不正が行われており、150歳代の高齢者が社会保障給付金を受け取っているとマスク氏が主張した際、これはドナルド・トランプ大統領が2期目の最初の議会演説で取り上げられた主張だった。しかし、ニューヨーク・タイムズの新たな報道によると、マスク氏の主張は真実ではなく、DOGEの広報担当ケイティ・ミラー氏はその嘘を貫き通したという。
マスク氏の高額なスペースX契約を監督するNASAは、2024年1月時点では同氏が薬物を使用した「証拠は見つかっていない」と主張していた。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙は先月、億万長者のマスク氏が機密情報へのアクセスを維持するために政府から義務付けられている薬物検査について、事前に警告を受けていたと報じている。
マスク氏の薬物検査結果ツイートが、この論争に終止符を打つとは考えにくい。特にテスラのCEOであるマスク氏は、トランプ氏支持を表明し、トランプ氏をはじめとする共和党議員の当選に2億5000万ドル以上を投じたことで、この1年間厳しい批判にさらされてきた。マスク氏はトランプ氏の宣伝のために数々の舞台に登場し、国民に彼の奇妙な行動を見せる機会を何度も与えてきた。
2024年夏のトランプ陣営集会でのマスク氏の奇怪なジャンプ、トランプ就任式当日のナチス式敬礼、2月のCPACでの突飛なチェーンソースタントなど、奇妙な出来事は数え切れないほどある。さらに、大統領執務室での送別会では、トランプ氏が話している間、マスク氏は首をぐるぐると回し、遠くを見つめ続けていた。ここ数ヶ月で彼がこのような行動に出たのは初めてではなかった。
でも、どうなるかは誰にも分からない。マスクのファンは、彼が自閉症スペクトラムで、ぎこちない印象を与えるからだと弁明することが多い。確かにそれは本当かもしれない。しかし、ほとんどの人は、マスクほど突飛で常軌を逸した行動をしない自閉症の人を身近に抱えているようだ。