NASA初の深宇宙生物学実験を追体験しよう

NASA初の深宇宙生物学実験を追体験しよう

NASAによる初の試みであるバイオセンチネルは、宇宙線が生物(今回の場合は酵母)に及ぼす長期的な影響を調べるため、生物を100万マイル(160万キロメートル)以上も離れた深宇宙に運びます。NASAは、一般の人々がバイオセンチネルの進捗状況を追跡できるよう、新たなリアルタイム可視化ツールを公開しました。

バイオセンチネルは、深宇宙旅行が生物にどのような影響を与えるかをより明確に理解するためのNASAの取り組みの一環として、11月に打ち上げられました。バイオセンチネルは靴箱ほどの大きさのキューブサットで、アルテミス1号のペイロードとして搭載されました。

12月5日、NASAはバイオセンチネルが地球から655,730マイル(1,055,295キロメートル)の高度に到達した際に、深宇宙における初の長期生物学研究を正式に開始しました。それ以来、バイオセンチネルは宇宙空間を猛スピードで飛行し続けており、NASAは昨日、バイオセンチネルの動きをリアルタイムで追跡する可視化ツールを使って、ミッションの進捗状況を一般公開しました。

12 月 16 日現在の、地球およびウェッブ宇宙望遠鏡などの NASA の他の宇宙船に対する BioSentinel の位置。
12月16日現在における、地球とウェッブ宇宙望遠鏡などのNASAの他の宇宙船に対するバイオセンチネルの位置。スクリーンショット:NASA/Gizmodo

現在、バイオセンチネルは地球磁気圏をはるかに超えており、18ヶ月間のミッション期間中、太陽の周りを周回する軌道上に留まる予定です。このビジュアライゼーションでは、時間を巻き戻したり早送りしたりすることで、アルテミス1号によるバイオセンチネルの打ち上げの様子を追体験したり、将来の軌道を確認したりできます。

NASAによると、酵母が選ばれたのは、酵母を構成する細胞が、宇宙放射線によって損傷を受ける可能性のあるDNAを含め、ヒトを構成する細胞とある程度類似しているためです。この実験の結果は、火星への有人ミッションなど、長期の宇宙飛行にヒトや他の生物がどのように反応するかを解明するのに役立つでしょう。

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